《俺様的》彼女の手なずけ方

「ゴメンなさい……ナルが来たから、出るに出れなくなって」



申し訳なさそうに言うあたしの前に、ナルが歩いてきた。



「聞いてたならちょうどいい。一緒に帰ろうぜ」



「えぇっ!?」


肝心なところを、聞けてないの。



どうして清香さんがナルを殴ったのかも、あたしは全く知らない。



焦っているあたしを見て、京子さんがフォローしてくれた。








「この子、ナル様が清香さんになんて言うか聞くのが怖かったみたい。さっき清香さんに言ったこと、耳を塞いで聞いてなかったのよ」



京子さんの言葉に、無表情でフンと鼻をならしているナル。



「そーか、聞いてないんだ?」



「もう一度、言って?」



あたしがそう言うと、ナルがククッと笑った。