《俺様的》彼女の手なずけ方

あたしは思わず耳を塞いでしまった。


ナルの答えを、聞くのが怖いよ。



ナルは、きっと清香さんを選ぶはずだから。



あたしのことは、ただの気まぐれで、からかいやすい相手なだけ。



こんなに真剣な告白を前に、大切な幼なじみの気持ちを無下にするわけがない。








すると、清香さんの顔から笑みが消えた。



穏やかだった顔が、だんだん引きつっていく。



ふたりは二言三言交わしたあと、清香さんがナルをカバンで殴りつけ、走って逃げていった。



え……。



なにが起こったの?



大事なところを、聞けてなかった。



清香さんに殴られた箇所を押さえ、呆れ顔でため息をつくナルを見て、京子さんが吹きだしてしまった。



「プハッ!」



きょっ、京子さ~んっ!!