《俺様的》彼女の手なずけ方

「……言ったかな」



ナルは、ハニかみながら首を傾げている。



「言ったよ。だから、あたし……ナルのお嫁さんになれるんだって、ずっと信じてたのに」




清香さんがナルの胸に飛びこんで、くぐもった声で話している。



ナルは清香さんを跳ね除けることもせずに、ただ背中をさすっている。



「清香のこと、好きなときもあった……」



ナルの発言に、ドキッとした。



「ホントに!?」



涙ながらに顔を上げる清香さんの顔は、なんだか輝いている。



「だけど、ゴメン。成長と共に、そういう気がなくなった」



「……え?どういう意味?」



「恋愛とかに、全然興味なかったしな。人を喜ばせることも、相手の気持ちを考えることも、無駄だってずっと思ってきた」