《俺様的》彼女の手なずけ方

「送るから。いいか?泣きやめ」



ナルの優しい声が聞こえる。



「うん……」



「まだ泣いてる」



「そんなにすぐ泣きやめないよ。あたしが泣きやむまで、ずっとこうしていて」



清香さんがナルの指に自分の指を絡める。



「よせよ…」



そう言いながらも、強く拒否することのないナルを見て、あたしの心臓が跳ねる。








あたしといるときみたいに素直なナル。



学園では横柄な態度だけど、



素のナルはこうなのかもしれない。



やっぱり、周りの期待に応えなきゃとか、色んなプレッシャーからいつものナルが出来上がってるんだと思わずにはいられない。



このままだと…



ナルを清香さんにとられてしまう……?