《俺様的》彼女の手なずけ方

京子さんはあたしを見つめ、黙ったままただ頷いただけだった。



ナルがあたしに『愛してる』って言ったとき、



あたしはナルを笑ったよね。



だけどこんなに真剣に“愛”っていう言葉を使う清香さんに、なんだか嫉妬しそうだった。



あたしはナルに好かれて、迷惑がっていたけど…



心のどこかで、逃げていたのかもしれない。



学園にはいないタイプのあたしへの物珍しさから、好きって言ってくれているような気がして、



ナルの気持ちと向き合うのが怖かった。








庶民のあたしがセレブ学園にいること自体が夢のような話で、



この生活がずっと続くわけないって、あたしだってわかってる。



だからこそ…



全てを失ったときが、怖い。



あたしはちゃんと、自分のことをナルに話さないといけないよね……。