あたしは成り行きを見守るだけ。



ナルが女子の髪をさして、微笑んだ。




「髪をおろしてる方が好きだな」



……えっ。



「きゃあぁっ、すぐにおろしてきます!!」



女子は真っ赤になって、教室を出ていった。



だけどそれを見て周りの女子が次々とナルに近寄っていく。



「わたくしも指摘してくださいっ」



「そのリップいいな。唇を奪いたくなる」



もちろん、女子の目は完全にハート。



「わたくしもっ」



「キレイな目をしてるよな。ずっと見つめられたいかも」




「いやあぁんっ!!」









……おいおーい!



優しさって、ちょっとそれは違くない!?



だけどナルの饒舌っぷりは、続く。