見れば、男子は時計や財布、女子はアクセサリーを手にして喜んでいて、



みんながナルにお礼を言っている。



……一体どうしたの?



「ナル様、ありがとうございます!」



ひとりの女子がナルに近づき、お辞儀をすると。



「礼はいい。俺からの気持ちだから、受けとれよ」



「きゃあぁっ、嬉しいです!今日調理実習があるので、クッキーの差し入れをしてもよろしいですか!?」



「おう」



なっ……。



なに、その変わりようは。



ナルはみんなに笑いかけていて、ホントにいつもとは別人。



あたしがみんなに優しくしろって言ったから?








「ナル様、わたくしも差し入れをしてもよろしいですか!?」



「あぁ、勝手にしろ」



「ありがとうございます!」



「お前、ちょっとコッチに来いよ」



ナルがひとりの女子を手招きしている。