お弁当を片づけ、寝ているナルを残したままそっと部屋を出た。



教室に戻ると、さっきまでの時間がウソのよう。



あんなことされたなんて、天音ちゃんには絶対に言えない。



席に着いたところで、サギくんに声をかけられた。



「葵ちゃん、最近毎日ナルに呼びだされてるの?ひどいことされてないかな、大丈夫?」



「うん、大丈夫だよ。ありがとね、サギくん」



「そうだ、さっき京子さんが残っていた私物を取りに来たんだけど、なんだか顔がやつれてたな」



そういえば、京子さんを最近見かけないなって思ってたんだ。




「F組ってどこにあるの?」



「校舎裏にある、使われていない体育倉庫だよ」



「えっ…体育倉庫なの!?」



ありえないでしょ!