「そんなことないよ」



また、『面白い』って笑うんだ。



誰のせいでこうなったと思ってるのよ。



無視して行こうとすると、後ろから突然抱きあげられた。



「きゃっ、なにするのよっ」



「教室まで運んでやる。上履きは、あとで用意させるからそれまでしばらく我慢しろ」



「やだっ、離してってば!」



「黙れよ。でないと、このままどこかに連れこんで襲うぞ」



ひっ……。









ニヤリと笑うナルは、本気であたしをどこかに連れ去ってしまいそう。



この人のこれは、ただの脅しじゃないから怖い。




「わ……かった」




「いつもそのぐらい俺に従えよ?」




頭上でククッと笑うナルがムカつくけど、




この際教室まで運んでもらおうかな。




上履きも用意してくれるなんて、優しいところあるじゃない。