学校に行く途中、見知らぬ人に声をかけられた。



警戒したけど、ただ道に迷っていただけみたいだった。



靴箱を開けて、絶句した。



……あたしの上履きが、泥まみれになっている。



こんなことしても、なんの意味もないのに。



プリンセスを解消して欲しければあたしじゃなくて、ナルに言って欲しいよ。



アイツがあたしの言うことを聞くわけないって、学園の生徒ならわからないのかな。



……いや、直接言ったらそれこそ一大事だよね。



あたしに言う方が、筋が通ってるのか。








どうしよう。



こんな上履きを履くわけにもいかない。



仕方なく、あたしは裸足で教室に行くことにした。



裸足で歩いているだけで、生徒から冷ややかな視線を浴びる。



「お嬢様が、裸足で…。はしたないわ」



ですよねぇ~、



なんて思いながら、あたしは気にせず歩いていた。