「わたくしでは、ありません!信じてくださいっ」



天音ちゃんがわめいているけど、そんなのわかってるってば!



まぁ、聞いたところで名乗り出るわけないよね。




あたしは一輪差しを教室の後ろの棚に乗せ、落書きを雑巾でゴシゴシとこすった。




油性ペンじゃないからか、すぐに落ちた。




「席につくと、机の中に画鋲が……」



古典的だよね、やることが。



あたしは黙ったまま、その画鋲を集めて筆箱の中にしまった。









こんなことで動揺するあたしじゃないし。



売られたケンカは買ってやる!



ナルが昨日したことに対する嫌がらせなのかな。



そうだとしたら、敵は絞りやすいよね……。