教室についたとたん、天音ちゃんが満面の笑みで近付いてきた。



「おはようございます、葵ちゃん。昨日はナル様とどこへ…」



ニヤニヤとあたしを見ている。



「送ってもらっただけだよ~。余計な期待は無用ですから!」



なにを期待しているんだか。



「えー、そうなんですか?チュッチュッとか!甘々~攻撃とかされちゃいませんでしたか!?

わたくしに、その全貌を聞かせてください。あぁっ、わたくしには刺激が強いかもしれませんけど」



「バカっ、されるわけないでしょ!」



「なんて言いながら、あっ!!こんなところにキスマークが!!」



「えっ!?」



ついてるわけないのに、思わず反応してしまう。



あたしのその行動は、天音ちゃんを喜ばせるだけ。



「うらやましいですわ。例え全校生徒を敵にまわしたとしても、わたくしはナル様のプリンセスになりたい…」



「はいはい…」



全校生徒を敵にって、どう考えてもそっちの方が嫌だけど。