「ずっとこんなところにいても仕方無いし、そろそろ行くか」


ナルがあたしの手を握ってきた。


「きゃっ」


「このぐらいでいちいち驚くなよ。この先、どーするんだ?」


「こっ、この先ってなに!?あっ…あ、あたし、天音ちゃんを待たないとっ」


しどろもどろになるあたしを見ても、ナルは余裕の笑み。



「あの女には、使いを出しておく。気にするな」


「そう言われても」


「制服は、俺が預かっている。明日、その格好で学校に行くのか?」


…ハッ!


いつの間に制服を!?


仕方が無く、ナルと一緒に屋敷を出た。






屋敷の前にナルの迎えの車が停まっていた。


「ここから近いし、俺のウチに連れて行ってやろうか」


「いいっ、いいよ!!」


そういえば、清香さんと幼なじみだもんね。


家も、近いのか…。