「首輪って!あのリボンは…今日はつけてない」



「今日はってお前いつもつけてないよな?俺がやったモノは、肌身離さず持ち歩けよ」



不服そうな顔するナルに、あたしはムッとした顔を見せた。



「首輪なんて言わないでよ。あたしは犬じゃないっ」



「ハハ、お前をイジメるのが楽しいんだよ。かわいいヤツ」



そう言ってあたしの頭をグッと引き寄せ、腕の中にすっぽりと入れてしまった。



かわいいヤツなんて言われても、



嬉しくなんてないんだから!



そうは思うものの、こんなに機嫌のいいナルを見ていると、



あたしも、ナルのことをかわいいって思わずにはいられなかった。







「今日のナル様、様子が変ですわ。なんだかハイテンション……酔いがまわってるのかしら」



なんて声が聞こえてくるほど。



ナルは今まで学園で、どれだけ不機嫌でいたんだろう。