あたしに今まで散々失礼なことをしておいて、よく言うよ。



「それ……あたしの欲しかったティアラ」



はい?



清香さんがあたしの頭の上を指さしてフルフルと震えている。



「婆さんのお下がりだ。なんでお前にやらなきゃならないんだよ」



ナルが清香さんをニラんでいる。



婆さんのお下がりって、三好家に代々伝わるティアラ……とか、まさかそんな貴重な品!?


ただのイミテーションだと思っていたのに、時価10億のダイヤがごっそりとかやめてよっ!?


ナルに限っては、ありえそうな話だから怖い。



一気に頭が重くなってきた……。







「あんた、ナルのなんなのよ!?」



さっきまであたしに丁寧な話し方をしていた清香さんが、普通に話している。



なんだ、普通に話せるんだ?