「モノ好きだよね……」


つい、言ってしまった。



「は?俺がか?」



「そうだよ……あたしをプリンセスになんて……しょせん、山猿だよ?」



自ら落としてみる。



だってホントにおてんばだし、おしとやかとは縁遠いから。



「山猿も、手なずければかわいいモンだ」



「手なずけるって言い方、どうかと思う……」



「だけどもう、お前は俺の言いなりだろ?」



「ばっ……バカにしないで。言いなりになんて、ならないから」



「だけど、お前はもう俺を拒めない」



頬にふわりと乗せられたナルの手に、ビクッとするあたし。



同時に、鼓動が早くなる。








あたしを見つめるナルの視線を浴びていると、



まるで、魔法をかけられたみたいに……



体が、動かない。