だけど……いきなりこんなに優しくされたら、戸惑うよ。



「馬子にも衣装だな……」



「あんたに言われたくないっ!」



自分では思ったけどね?



「だけど、キレイだ……今すぐキスしたい」



「やめて。お願いだから、それだけは!」



ギロッとニラむけど、コイツがあたしの言うことなんて聞くはずがない。



「この礼は、いつか必ずしてもらうからな?もちろん、体で返してくれていいから」



なにっ!?








甘い顔をして、あたしに顔を寄せてくる。



しかも、この期に及んで恩着せがましい!



だけど、ナルのおかげで助かったかも。



あたしがお嬢様じゃないってバレてしまったら最後、



明日からもう学園には行けなかったかもしれないから。



それに……



こんなヤツだけど、



顔を見れなくなると思うと、寂しいし。