あたしは急いでトイレへと逃げた。



――ザー……。



吐くものもないし、しばらくトイレで長居。



このままパーティが終わるまでここにいよう。



そう思っていたら。



ポケットの中のケータイが鳴っているのに気がついた。



誰?



見れば、天音ちゃんからだった。



「葵ちゃん、どこにいるの?」



「2階のトイレだよー」



「わかりました。すぐに行きますわ」



電話が切れて、ドタバタという派手な足音が聞こえてきた。



個室を出ると、天音ちゃんが入ってきた。



「葵ちゃん、こちらに来てください!」



「えっ?」



引っ張られるままに、最初にドレスを広げた部屋に連れていかれた。