「あと、これなんてどうかしら」



次は、これまたセクシーな細身のドレス。



スワロフスキーが全面に縫い付けてあり、しかも真っ赤。



……ムリ。



「そうですね……でもあたし、ドレスなんて着たことがないからどうしたらいいのか……」



あたしがそう言うと、清香さんが目を剥いた。



「それはどういうことなの?あなた、セレブ学園にいながらにしてドレスを着たことがないって……」



……しまった。



この学園でのあたしの設定は、お嬢様なんだった。



「あ……の、ウチは着物派で……」



またあたしも、焦ったからってとんでもない大ボラを吹いてしまった。




「まぁ……そうでしたか。それならそうと言ってくださればよかったのに。それなら、仕方のないこと」



……ふうっ、今のウチに逃げよう。



あたしが扉の方を向くと。