《俺様的》彼女の手なずけ方

帰りたいけど、勝手に帰ったら天音ちゃんに怒られそうだしなぁ。


悩んでいると、ひとりの女の子があたしに近づいてきた。


これまたゴージャスなドレスを着て、頭にティアラなんか乗せっちゃっている。


「あら、篠原さん。制服のままで参加するなんて、相変わらず勇気のあること」


話しかけてきたのは、あたしの知らない子。


だけどあたしのことを、知っているみたい。


まぁ、ナルのせいで学園のある意味有名人なあたし。


周りからは、知られているのかもしれない。





「場違いだよねぇ、アハハ」


あたしはとりあえず笑ってみせる。


「ドレスがなくても、参加できるのよ。もっと中に入ってらっしゃいよ」


そう、言われましても。


あんまり中には入りたくない。


「大丈夫。ここでいいよ」


「そう言わずに。ボーイさん、こちらにドリンクを一杯お願いします」