《俺様的》彼女の手なずけ方

「多田野さん、ごきげんよう」



あたしたちの前で、そのグループの中心にいる女の子が微笑みかけてきた。



この人って、昨日ナルの特別室にやってきた……清香さんだ。



凛としているし、全く隙がない。



ナルの幼なじみだけあって、生粋のお嬢様っていう佇まい。



天音ちゃんもお嬢様だけど、近寄り難さからいうと、



清香さんは、ピカ1な気がしていた。









「清香さん、行きましょう」



周りにいる女子生徒が、清香さんを促す。



「そうだわ……今からわたくしの家でお茶会をするのだけど、多田野さん本日のご予定は?」



清香さんが、クスリと笑う。



「わたくし今日は時間を持て余していて……清香さんさえよければ、ご一緒させていただいてもよろしいですか?」



なんだか堅苦しい会話が続く中、



あたしは黙ってその場に突っ立っていた。