「そんなに嫌かよ…」


やるせないような、そんな声が聞こえてくる。


「あたり前でしょ!?どうしてあたしが、あんたなんかと!!」


「同じ顔でも、見ず知らずの双子ならできるっておかしくねぇ?」


「他の人とはできても、ナルとだけはキスしたくない!!」


あたしがそう叫ぶと、ナルが強引にあたしの腕を掴んだ。







「そんな勝手な言い分、聞けないな。お前は俺の所有物なんだよ」


「所有物!?」


「俺が最初に目ぇつけたんだから、他の誰にも渡さない」


「…えぇっ…やっ…待って……」


体を軽く押され、壁際に追いつめられた。


そしてグッとナルが顔をよせてくる。


その表情は挑発的であり、かなり妖しい。


「この俺がそんなこと聞くと思う?いつもみたく、黙って俺に従えよ」


「……っ」


――バッチーン!!


もう1度キスされそうになって、あたしはナルを思いっきり引っぱたいた。