《俺様的》彼女の手なずけ方

そしたらすれ違い様、ナルに制服の裾を掴まれた。




「キャッ!!」



「無視すんなよ」



「別に用事がないから通り過ぎただけでしょ?」



ナルはなんだか不服そうに、あたしとサギくんを見ている。




「今からふたりでどっか行くわけ?」



「だったらなに?ナルには関係ないでしょ」



フン!と顔を背けると、小さな叫び声が聞こえた。







「ひぃっ……俺、先に帰るね。ゴメンね、葵ちゃん」



サギくんは、ナルに睨まれて走って帰ってしまった。



「ちょっと~!あんたのせいで、サギくんが帰ったじゃない。一緒に帰ろうと思ってたのに」




「は?他の男と帰るとか、冗談だろ。お前は俺が送っていく」




ウソ!なんでそーなるの!?