百獣の王のライオンに牙を剥かれて、



身動きひとつとれなくなる小動物……。




ナルの顔が、少しずつ近づいてくる。




「……よく頑張ったから、ご褒美やろっか」




うわっ……。




耳もとで、囁かれる。




ドクドクと鼓動が激しくなる。









「いっ……いらない」



必死に首を横に振ると、チッと舌うちをされた。




「お前、かわいくないな」



「どうせ山猿ですよーだ!!もうっ、あたし帰る」