もう嫌だ…。 何で、土方さんは私の記憶だけ失ったのだろうか? 今の私の中からは疑問と哀しみしか込み上げ来ない。 溢れて来る涙を拭いながら廊下を走っていると、後ろから足音がした。 振り返ってみれば、そこには彼がいた。 「待てよッ!」 土方さんは寝間着のまま、私を追いかけて来る。 待つわけがない。 私は前を向き直り、走る速度を上げた。