――ママ。今はそっとしておいてください。 幸せを噛み締めてるんだから! そんなことを思いながら、あたしは荷物を持って家を飛び出した。 「清瀬くん、ごめんねっ!!」 走って清瀬くんに駆け寄る。 「大丈夫。俺が早く来ただけだから」 ニコリと笑う笑顔は、朝早くても死角なし。 完璧!!さすが、学年1のモテ男くん。 「なに、羽衣子ちゃん。そんなに見ないでよ」 「えっ?ご、ごめんごめん」 「じゃあ、行こっか」 「うんっ」