「久賀さん」
名前を呼ばれて、ドキッとした。
「は、はい」
「久賀さんですね、こちらにどうぞ」
診察室に通されて、緊張気味なあたしに目の前の女医さんは微笑んだ。
「おめでとうございます。妊娠されていますよ」
「へ……」
「これからがんばりましょうね。元気な赤ちゃんを産んでください」
「……ありがとうございます……」
診察室から出て、
あたしは自分のお腹に手を当てる。
夢みたいな心地だった。
ここに、大切な人との赤ちゃんがいるなんて。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…