「マイクにお願いします」
ガシッ
キーン
「……………」
急にリポーターから取り上げたマイクからの機械音に顔を歪める
終聖がマイクを持ったのだ
「えーっとこの紙にかかれてたのは‘自分の大切な人’」
えっ―――?
「なんだからこの場所で言っとくけど、俺の大切な人はただ1人ここにいる羽衣子だけだから」
終聖があたしを見た
みんなに言い切っちゃっていいの?
「だから、今度羽衣子に指1本でも触れてみろ。ただじゃおかねぇから」
シーンと静まるグラウンド
それだけ言うとマイクをリポーターに返した
それってそれって
あたしのために言ってくれたんだよね?
「ほら羽衣子、戻るぞ」
いつもの笑顔
終聖………
「うんっ」
好き
大好き
大切にされてるんだって思ってもいいよね?
他のどんな言葉でも言い表せないくらい
あたしはあなたが大好きです

