「うーん」
ピピピッ
「36.9℃下がったわね」
にこりと笑って体温計を受け取るおばさん
「すいません、いろいろ。」
「いいのよー家族みたいなものなんだから」
家族、か
小さい頃からお世話になってるからな
「羽衣子に支えられながら帰ってきたときはびっくりしたけど」
「あぁ…すいません」
教室で倒れた日のことか
あれは自分でもびっくりした
「羽衣子の勉強、見てくれてたんだって?」
「え」
「羽衣子が嬉しそうに言ってたわ」
おばさんに言ったのか…
「ドジな子だから羽衣子、迷惑掛けてない?」
「あ、いえ全然」
めちゃくちゃ掛けられてますよ
言わないけど
「あの子のこと、よろしくね。」
真っ直ぐ俺を見つめる瞳は、羽衣子そっくりだ
「はい、もちろん。」
すんなりと出てきた言葉にウソはみじんもなかった

