こんなので、いいの?
あたし―――…
「羽衣子?」
この役やってていいの?
「羽衣子、泣いてる?」
気づいたら、頬を涙が伝っていた
「……っく…」
「どうした?」
みんな帰ってしまったのか、教室にはあたしのすすり泣く声しか聞こえない。
「……あたし…」
「うん」
「…うまくなりたい」
「うん」
「やるんだったら、最高の劇にしたいの」
それなのに、あたし下手だから…
「みんなに迷惑かけたくないのに……っ」
堪えていた涙が溢れ出す
「あたし…」
どうしたらいい?
「じゃあ、練習しよう」
えっ――?
顔を上げると、そこには笑顔の終聖がいた

