「ねぇそれ、贅沢な悩みだよ」 お昼休み、オムライスを挟んでショートボムの女の子が一言。 「そ、そうなのかな」 「彼氏が優しすぎるんです。なんてさ、今時そんなのありえないから」 え…そ、そうなの!? あたしは眉間にしわを寄せる。 「いいよね、羽衣子の悩みは解決しやすくて。あたしなんて、もうドロドロ」 はぁ、とため息をついてからオムライスを一口食べる。 そんな仕草も、綺麗。 何でも、家が茶道の家元なんだとかで。