「葵」


頭上から聞こえた声にはっと顔をあげると


そこには少し困ったように微笑む廉がいた


「廉、、、」


「ここだと思った」


「、、、」


「帰ろう?」


廉の言葉になんて返したらいいかわからない


「帰ろう」


帰る場所はひとつしかないけど


帰っていいの?


「行こう」



廉に腕をつかまれ立ち上がるけど


うまく足に力が入らず


私の体はソファに戻った