「……あ」 授業中、うっかり落としてしまった消しゴムに気付いて、拾ってくれる若宮。 「………ん」 「…あ、ありがとう」 ぶっきらぼうに差し出された消しゴムを受け取ると、若宮は何事もなかったかのように黒板に視線を戻した。 ……こんなに意識してるのはあたしだけか… って、当たり前じゃん。 何思ってんだあたし。 隣の若宮との、たった30センチあまりの距離が 物凄く 遠い