不自然な体勢で投げられたボールは僅かに中心から逸れて。 ……右端の一本だけ残ってしまった。 「あれ~? 若宮くん~?♪」 ニヤニヤしながら若宮に声をかける佐倉くん。 若宮はいつも以上に不機嫌そうな表情で振り向くと 「触んじゃねぇ」 ズカズカとこっちに歩いてきて、佐倉くんをあたしから引き離した。