「どのくらいまで切る?」
「えーっと‥「胸につくかつかないか微妙な感じの長さで」
私の声を遮った兄ちゃん。

さすがにそれは切りすぎじゃない?
って思ったけど、兄ちゃんが決めたからいっか。
なんて少し投げやり。

鏡ごしに見るるみさんは、なんだか綺麗だった。
「前髪、つくる?」
「つくった方が、いいと思います?」
「そうくるか。
んー、じゃあ、目の半分くらいの長さまで切って、前髪全てを横に流すってのは?」
「じゃ、それで」

前髪をつくった後、るみさんは前髪にスプレーをふきかけ、横にもっていった。
鏡にうつっている私は、別人のようだった。

「どう?」
「‥‥。」
「満足みたいですよ」
何も言わない私の代わりに、兄ちゃんが言った。

「そっか!
よかった。
じゃ、これあげるね。
2本ただであげる」
貰ったのは、前髪にふきかけたスプレー。
「無くなったら買いにきて」
「‥ありがとうございます」
「いーえ」

るみさんに見送られ、店を出た。