私は後ずさりながら言った。


「そんなの聞いたことないもん!」


「そりゃあそうよ!だって初めて会うんだもの!でも、本当よ!」


自信満々に言う女の人のことが、どうしても信用できず。


疑いの目で見つめていると、女の人は一枚の写真を見せてくれた。


「ほらね?」


私は写真を覗き込む。


「あ、ママ!」


と、従兄弟のママと、この女の人が写っている。


本当にママとは知り合いみたい。


女の人は、私の服を見て嬉しそうに言った。


「可愛い服ね!見ててウキウキしちゃう!」


私は裾の広がったピンクのワンピースを掴んで、苦い顔をしてみせる。


「可愛いけど…私には似合わない」


女の人は不思議そうに首を傾げた。


「どうして?」