私はこくこくっと頷くと、宙は私の腕をつかんだまま歩きだした。


「そ、宙!試合は!?」


「俺は次の試合からだよ」


「え?でも…宙はキャプテンなのに、みんなの試合見てなくていいの?」


「全然大丈夫」


「え……いや、ダメでしょ」


私は珍しく正論をはいた。


この場にマキ姉がいたら、きっと頭を撫でてくれる。


宙は何食わぬ顔で、スタスタと歩きながら言った。



「俺がキャプテンってことは、俺がOKをだしたら大丈夫なの。俺がこうやってみんなの試合を見てないことも、俺から了承を得てるから全然大丈夫」



絶対嘘だ!


いくらキャプテンだからって、そこまでの権限はないよ!!


その権限があるのは顧問だけでしょ!


私ですら嘘ってわかるもん!!


「宙、それ絶対に違うよね!?」


「あ、カエル」


宙はいきなり立ち止まって言った。


人の話を聞きなさい!?


私の質問、無視ですか!?


「……っと、思ったらただのゴミだ」


そうやって自分で納得すると、またスタスタと歩き始めた。


え!?ゴミとカエルって間違えるの!?


しかも、自分で納得して歩きだしたし!


この、マイペースさんめ!!