それは、とても暗い世界だった。 見えているものは全て等しく闇で、私の足はただ彷徨い、行き場を求めていた。 ――此処は何処だろう。 ――何処が始まりで、何処が終わりなのだろうか。 ふと、歩みを止めた。 いや、止めたのではない。 諦めたのだ。 限りなく続く闇、絶望の奥底に包まれた世界。 ――私は、誰なのだろうか。