この人は、酷だなと思った。 壇上から下りるとそのまま会場を出た。 「お疲れ様」 「…いえ」 「藍佳!!」 後ろから走ってあたしの名前を呼んだのは真澄。 「真澄…」 「あ、こんばんは」 あたしの隣に挨拶をして華麗に礼をする。 「こんばんは。あなたは?」 「あたしの幼馴染みの長井真澄です。 この子は全て知っているので大丈夫です」 「そうなのか」 真澄はあたしをみてぐっと手を握った。 「よく頑張った。お疲れさま、藍佳」