「知らない」 「なぁ、藍佳」 「なに?」 「俺、不器用だけど、これから家族で頑張っていこうな?」 急になにを言い出すのかと思って 体ごと向けるともっとキツく抱きしめられた。 こうやって、あたしの大好きなことをしてくれる。 抱きしめられるだけで安心する。 もう、いなきゃいけない存在。 「大好き…」 「あぁ」 「愛してる」 「知ってる」 「…颯汰は?」