「え、ちょ、ちょっと待って!どういうこと…?」
「付き合って」
隣にいる有内くんは、あたしの手を引き、それからあたしを抱きしめた。
急なことに頭が働かない。
「有内くん…離して…」
「好きだ」
耳元で囁かれ、どうすればいいのかわからなくなる。
でも…曖昧にしちゃダメだよね…
「ごめんなさい…有内くんとは付き合えない」
「嫌だ」
「え?」
視界がクルっと回り、あたしは床に寝転がっていた。
そう、有内くんに押し倒された。
有内くんの耳から垂れ下がるピアスが揺れる。
「ずっと…好きだったんだ…」
「有内くん…」
気持ちは嬉しいけど…あたしは答えることは出来ないよ…
