「熱、下がってよかった」


薬を飲んでから熱を計ると、36.9度だった。


「龍ちゃんのおかげだよ、ありがとう」

「ん」


口角をキュッと上げて笑うと、あたしの肩に手を置いて屈んだ。
そして、首をかしげて…


―チュッ


「ひゃん…!」


今度は耳にキスをした。


「り、龍ちゃん…」

「またしんどくなったら呼んで」


あたしの頭を撫でると、部屋から出ていって自分の部屋に戻った。

またなんでもないような顔して…
龍ちゃんの意図がわからないよ。

もうしんどくもないから眠ることも出来ず、そのままモヤモヤを抱えなからベッドの中で過ごした。

そんな風邪引きの体育祭――。