「充分頑張ったんじゃない」
「でゅーぢゃん…」
あたしは涙と鼻水でグショグショ。
どうしてこんなに優しいの?
風邪で辛いのと、龍ちゃんの優しさで…おかしくなりそう。
あたしが落ち着くまで龍ちゃんは側にいて、頭を優しく撫でてくれた。
たっくんがあたしの荷物を持って帰ってくると、龍ちゃんはポンポンとしてから離れていった。
急に温もりがなくなり切なくなる。
やっぱり、あたしおかしいや。
きっとそれは風邪のせい…
「送る」
そう言ってあたしの手を引く龍ちゃん。
そんなことしなくても歩けるのに…
「じゃあ、龍頼んだよ」
「ん」
「瑞希ちゃんお大事に」
「たっくん、ありがと…」
たっくんに見送られて、あたしは車に乗った。
