「あ、ごめんね」
真っ赤なあたしを見てか、たっくんはパッと手を離して、あたしから一歩距離を置いた。
「今日雨降るらしいから早く帰りなね」
「は、はいっ」
周りに人がいないか確認してから、たっくんはあたしの頭を撫でた。
「じゃあね、気をつけて帰るんだよ」
「うん!」
たっくんは教室に入り、あたしは廊下を歩き出した。
そのまんま駅について電車に乗ってちょっとしてからのこと。
ザーと雨が降りだした。
たっくんのいう通りだったな。
朝はすっごく晴れてたから傘なんて持ってないよ…
着くまでにやみますように!
なんて願いも虚しく、雨は降り続く。
