外は曇りで薄暗い。


「あたしも帰ろ」


明日は晴れればいいのにな、なんてことを考えていると突然耳元で


「よーしーたーにー!!」


と、名前を叫ばれた。


「うるさい!!なんなの!!」


こんなことするのは一人くらいしかいない。


「いい加減、名前叫ぶのやめてよ、蒼太!!」


目の前の蒼太は、怒るあたしを見てケラケラ笑う。

ほんとに、ほんっとに、なんでこんな馬鹿なことしか出来ないのかなぁ。


「明日優勝だからな!」

「当たり前でしょ!足引っ張ったら怒るからねー!」

「おう!バトン渡す相手間違えんなよ?」

「蒼太じゃないんだから、そんな間違いするわけないでしょ?」


んだと!?という蒼太を横目で見ながら鞄を持つ。