ふふっと笑う声がして、食べる手を止めた。


「たっくん?」


たっくんは、スプーンを置いて、頬杖をついてあたしを眺めていた。
あたしがたっくんに気づくと、優しく微笑んだ。
それが、すっごく美しくて、ちょっとだけキュンとしたのは秘密。


「ど、どうしたの?」

「いや、おいしそうに食べてるのを見てるのも幸せだなぁと思って」


そう言われて初めて、ガツガツ食べていたことに気づく。
恥ずかしくなって俯くと、またふふっと笑われた。


「泉も龍も、ちゃんとおいしいとは言ってくれないからね。嬉しいんだよ」


こっち向いて、と言われ顔を上げると、手が伸びてきてほっぺ辺りを触られる。
突然のことでビクッとしたけど、たっくんはすぐに手を引いた。
そして、たっくんはその指をペロッと舐めた。


「カレーついてた」

「え?ほんと!?」


笑顔で頷くたっくんは、やっぱり優しい顔をしていた。