そんなこんなで、先生達との生活がいくらかすぎたころ。


「体育祭の選手を決めたいと思います!」


学校では、体育祭の時期になった。
たっくんの言葉にクラスの男子は、優勝すんぞ!と気合いたっぷり。
そんな男子に対し、女子は少しめんどくさそう。


「男子は桐原が足速いって聞いたけど」

「そうなんスよ!俺足速いんスよー!」


どや顔の蒼太が満面の笑みをたっくんに向ける。

そういえば、蒼太って中学時代から足速かったっけ。
頭は悪いクセに!


「女子は誰が速いの?」

「吉谷さん!」

「うん、瑞希ちゃんすごく速い!」

「え!?」


あ、あたし!?

ポンポンとあたしの名前がクラスに飛び交う。


「吉谷は中学時代から足だけは速かったからな!」


蒼太が大声でそんなことを言ったからクラスは笑いで包まれた。
たっくんも、仲良いいんだね、なんて言っちゃってるし…

っていうか、足だけは速いって、さっきあたしが蒼太に思ったことで!
蒼太にだけは言われたくない!


「じゃあその二人は二種目出てもらおうかな」


えぇ!?あたし決定なの?
まぁいっか…走るの嫌いじゃないし。