「もう出てって」

「え…」

「出てけ」


怒ってるの…?
あたし何か悪いこと言った?

よくわからなかったけど、出ていくしかなく、あたしはバルコニーから自分の部屋に戻った。


「はぁ…」


ベッドに腰掛けて、ため息をつく。

優しくなったり、冷たくなったり。
それにしても、なんで怒っちゃったんだろう…

ちょっと良い感じに仲良く出来そうな雰囲気だったのに。
でもずっと悲しげに見えた。

龍ちゃんは…何かを抱えてるの?


―バタンッ


隣の部屋の扉が閉まる音が、龍ちゃんが部屋に帰って来たことを知らせる。


「はぁ…」


考えれば考えるほど謎な人だ…

でも、知られたくないことなんだろうし、あんまり深入りしないようにしよう。


「もう寝よーっと」