先生の隣に同じように屈んで、目の前の花を眺めた。
ピンク色の綺麗な花だった。


「お花好きなの?」

「スイートピー」

「え?」

「この花、スイートピーって言うんだ」


スイートピー…
わりとよく聞く名前だけど実際に見るのは初めてだった。


「綺麗な花だね」

「ん」


なんとなく、龍ちゃんも穏やかな感じがする。
優しい目でスイートピーを見つめていて、少しだけ微笑んでるような気がする。
でもそれが少し悲しげに見えるのは、あたしの気のせい…?

何故か沈黙が気まずくて、何か話さなきゃと焦る。


「花言葉とかあるの?」


普通に聞いたはずだった。
なのに、龍ちゃんは…


「知らない」


と、冷たく言い放して、あの優しげな目も、穏やかな雰囲気もパッとなくなった。