「り、りゅーちゃんっ!」
「いいじゃんいいじゃん!」
勇気を出して名前を呼ぶと、いずみんは子供のようにキラキラした目で喜んだ。
龍ちゃんは、はぁ…とため息をついてた。
「俺らも、吉谷じゃなくて瑞希って呼ぶな!」
これから仲良くしよーな!という、いずみんの声。
昨日はあんなに、あたしが住むの嫌がってたのに急に仲良くしようなんて、どうしたんだろ…
いずみんってわけわかんない。
でも、いずみんの優しさなのかも?
うーん、やっぱりわかんないや。
「やっぱ、名前呼ぶだけで距離近くなった気がするよな!」
「そうだね、照れるけどね」
「拓海っちは照れすぎ!」
「仕方ないよ、照れ屋だもん」
だもん、って…
やっぱり、たっくんは可愛いなぁ。
お兄ちゃんみたいな、優しいたっくんだったり、こういう可愛いたっくんだったり。
たっくんもよくわかんない。
でも一番わかんないのは…
「風呂当番、早く湯はって」
「あっはい!」
龍ちゃんだよね…
